お互いの利害が一致して、不思議な恋人関係が成立した。

この数日で修司の生活はいっきに慌ただしくなってしまった。

女子部員の恥じらいよりも、伊月の彼氏に対する興味の方が勝ったらしい。

修司の境遇を聞いた伊月は、「あなたのことをほっとかないから」と、何かを決意したようだった。

修司を心配して引き取ると言い出してくれたのは葵だった。

家族と距離を置きたい修司にとって、このみが訪ねてくるのはとても気が重かった。

色んなことが宙ぶらりんのままだった。今は少しずつ良くなっていると思う。

各々楽しみにしているようだけど、修司は誰の予定に合わせればいいのか悩みどころ。

自分より修司を幸せに出来る人がいる、そう感じたのなら、自分は身を引くべきなのだ。

捨てられずに全部抱え込む修司だから、捨てる手伝いをしてあげよう。

今の自分たちの関係が分からない。距離感が掴めない。だからお互いに話せず、不器用な時間だけが過ぎていった。

もしかすると幸せになれたかもしれなかった。でも今は、色んな責任を修司は背負い込んでしまっている。

やり残したことにケジメはつけてきた。これで晴れて、二人は恋人になった。

きっかけは勢いだった。でもさらけ出された二人の気持ちは、誰にも止められなかった。

これからどうするのか、どうなるのか分からない二人の関係。でも前向きに向き合うと決めた。

ずいぶん遠回りをしてしまったけれど、二人の関係はようやく正しく前進しようとし始めた。

卒業後の進路について、修司は前向きに答える。多くの努力は必要そうだが、みんなの応援が自信となる。

全てを話してほしい、全てを話したい。その結果どうなっても、私はずっと修司の側にいる。

これからも色んな問題が出てくるだろう。でも葵といるためなら苦ではない。

やっと大人になれた二人。これからは一緒に一つ一つ、困難を乗り越えながら幸せになっていく。

過去の重荷にケジメをつけて、今度こそ一緒に歩んでいく。信じた道を行く二人の絆はもう揺らぐことはない。

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