「生徒会からの課題をクリアできなければ、その部は解散、廃部にする！！」

「演劇に出演してください、アリス会長」

「私は男の人と泊まったりなんて……そんなハレンチなことできません！」

俺にべったりだった真優が離れていくのは少し寂しくもあったけれど。真優が他人を肯定していることがたまらなく嬉しかった。

観客席でひとり、またひとりと拍手が伝播していく。大きな歓声がうねりとなって、俺たちの舞台にいつまでも喝采を送ってくれた。

十川真優ルートに入った

彼女に期待されて、実力を試す場をもらえて。楽しみで、興奮して、胸が震える。

七瀬千奈ルートに入った

後輩のナタリーとしてじゃなくて女の子として、告白を聞いて欲しいから。「俺は、千奈のことが好きだ」

アリスルートに入った

生徒会室を包み込む嬌声、拍手、そしてフラッシュ。みんなが俺たちのことを祝福してくれた。

百花ルートに入った

百花ちゃんの華奢な手が俺の手をぎゅっと握ってくる。それを幸せを感じて、彼女をずっと守っていきたいと思った。

特定の誰かと恋人になったり、深い仲になれたり、そういうことは一切なかったけれど。これはこれで幸せな学園生活だと、俺は思う。

舞台の幕は、まだ上がったばかり。これから始まる物語はきっと、幸せを約束された世界が広がっている。

意地っ張りで負けず嫌いなところも可愛いけれど、俺だけを頼ってくれる彼女が、とても愛しい。そんな彼女と並んで歩いていきたいと、心から強く思った。

『この世は舞台、人はみな役者』俺とアリスの舞台に、新しい幕が開く。それを俺たちの手で、希望に満ちたものにする。今日がその第一歩。

一途で、好奇心が旺盛で、今は心の枷も無く、自由に興味のあるものへと飛んでいく。その姿は、こっちが幸せになるほど、とてもとても眩しかった。

「ここまでプレイしてくれて、ありがとうございました」

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